るん


おっと! 人口ピラミッド展特集

世界人口の変遷
InfoSculpture


 本展覧会を開催するきっかけとなったビジュアルデザインスタジオWOWからのデータ可視化手法「InfoSculpture」による作品を紹介する。この手法は造形的な視点でデータの見え方を拡張し、鑑賞者の創造性を湧き立て、問題に対する多面的な視点を与えることを目的にしたデザイン手法である。さまざまな分野に適用できるが、この展覧会では400万行をこえる国連の人口統計・予測データから以下の4つの造形を生み出し、時間とともに変化(推移)する様を映像化した。


InfoSculpture : Pyramid

1つの国・地域について、その人口構成比を表した造形

 横軸に人口、縦軸に年齢の馴染みある人口構成比を、平面的なグラフではなく、一つの彫刻のように立体的に質感をつけて表現した造形。1950年から2101年までの予測データも含めてどのように変化(推移)するかを映像化した。また、特徴をより顕在化させるため、1歳づつ積層した形状だけではなく、10歳ごと、生産年齢、で区切ったタイプも制作している。


InfoSculpture : Shell

1つの国・地域について、人口構成比の変遷を表した造形

 ピラミッドの造形に時間軸を追加することで生まれた造形。ピラミッドの場合は、アニメーションさせることで1950年から2101年までの変化を見ることができるが、この造形では、ピラミッドの造形の変化(推移)を奥行の軸にあて、円周上に断面を並べることで、人口構成の推移を固定化している。映像の中で正面にきている部分は、1950年と2101年の断面が隣り合っている。


InfoSculpture : Brick

すべての国の人口構成比をまとめて比較した造形

 全世界の人口構成比をまとめた造形。各国の人口構成比を10ブロックに分け、一つの棒にしたものを左からGDPの多い順に並べ、さらに円環状にした。この造形も1950年から2101年までの予測データも含めて、世界の人口構成比がどのように変化(推移)するかを映像化している。


InfoSculpture : Fur

人口と構成比の地理的な分布と人口密度を表した造形

 人口構成比の物理的な分布と、人口密度を地球上にマッピングした造形。他3つ(Pyramid、Shell、Brick)の造形が概念上の空間内で表現していたのに対し、本作では地球という物理的なスケールにマッピングした。毛の色の濃さ(彩度)に人口構成比をあて、毛の密度が、各国・地域の人口量を表現している。


 なお、以上のInfoSculpture は、いずれも動画で制作されている。これらとは別にレアメタルをテーマにした作品InfoTextureも含めてつぎのサイトをご覧いただきたい。https://informs.design/
— WOW




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